2022年11月03日 19:30
和倉温泉街から少し離れた青林寺にある「和倉御便殿(ごべんでん)」は、1909(明治42)年に東宮殿下(のちの大正天皇)が和倉行啓の際の休憩所として建てられたものです。
もとは海沿い、今の「大観荘」の位置にありましたが、移築されました。ふつう使用後に取り壊される御便殿は、全国でも島根県浜田市と和倉の2例しか残されていません。大正天皇(当時は東宮殿下)の滞在時間はわずか2時間だったそうです。
建物全体に宮内庁の木曽御用林の檜材が使われ、「御座所」内部には格式高い折上げ格天井(おりあげごうてんじょう)を施しながらも、構造は「洋風トラスト」となっている和風意匠が見どころです。
客殿にある美しい座卓が、青林寺の庭の景色を鏡のように映している写真で一躍有名になりましたね(トップ画像)。数々の雑誌やJRのポスターなどで紹介されましたが、金沢のあるカメラマンが気づいた構図だとか。お寺の方が撮り方のコツを丁寧に教えてくれますよ。
見どころはそれだけじゃありません! 格式高い「折上格天井」は特に見事です。天井板は栃の木で、虎斑(とらふ)の木目がとっても美しいです。
実際に大正天皇が休息された御座所(ござしょ)も、当時のまま美しく保存されています。シルクの座布団は今でも虫がつかないとか。
御便殿は2017年10月に国指定登録有形文化財として登録されました。能登ではぜひ一度は訪れておきたいスポットですね。
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