2020年03月14日 7:00
卯辰山を背景に建つ持名寺は、戦国時代、蓮如上人が金沢の二俣を拠点に布教していたころ、卯辰山のふもとの民家を足掛かりに教線を拡大して以来の歴史を持つお寺です。一見、民家のようですが脇に小さな梵鐘(ぼんしょう)があるので寺と分かります。
蓮如上人の時代、浄土真宗(一向宗)は門徒の民家を説法を聴く「道場(どうじょう)」として活用し、門徒をどんどん増やしていきました。寺院を建てるにはお金も労力も日数もかかりますが、門徒の家を寺院代わりに使えば短期間に信者を増やせるわけです。この1点を見ても、蓮如は組織を拡大する上で天才的な才能を持っていたことがうかがえます。
浄土真宗の道場の多くは江戸時代に入ってから寺院に昇格しますが、白山山麓では現在までごく一部の地域で道場が継承されています。卯辰山寺院群の持名寺はすでに寺院になっていますが、道場のたたずまいを今に伝えており、貴重な建物だと思います。
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