2022年01月29日 18:00
天神橋から少し卯辰山公園線を登ったところから左へ入る「帰厚坂(きこうざか)」に、大正時代から昭和15年(1940)にかけて、「ハッタロウ」と呼ばれた漂泊の男性が住んでいました。
ハッタロウについて記した複数の本を見ると、彼は黒いマントを着て夕方になると東山界隈に現れ、お茶屋や商家の手伝いや使い走りをしたり、子供たちと遊んでいたそうです。人に頼まれると、地獄の閻魔様と電話でやりとりをするしぐさをして見せたそうです。
初めは帰厚坂の途中の洞くつに住んでいましたが、昭和10年ごろには帰厚坂のあたりに近所の人が建てた小屋に住み、三味線を弾く目の不自由な女性と同棲していたそうです。どことなくユーモアがあったハッタロウは近所の人や芸妓さんたちの間で人気があり、古着や食べ物の差し入れも受けていたようです。
昭和15年に忽然と姿を消したそうですが、本当にいた仙人のような人物の話です。その“仙人”を温かく受け入れていた人々の優しさと、おとぎ話のような実話に心惹かれます。
いいじボタンをクリックしてポイントGET♪
ポイントを貯めればきっといいじなコトあるはず!?