2023年02月11日 10:30
総務省が発表した2022年家計調査の「アイスクリームの1世帯当たりの支出金額」で
昨年さいたま市に首位を奪われてしまいましたが、皆さんの深い”アイス愛”のおかげで、すぐさま首位奪還です!
2012年からの10年間で6度トップに立っていた”アイス王国”金沢市。2021年はさいたま市、千葉市、山形市、福島市に次ぐ4位に甘んじていましたが、2022年は購入金額が2,000円以上アップの13,932円と、2位に500円以上引き離して日本一に輝きました。
金沢は特に暑い地域でもなく、どちらかと言えば寒い北国ですよね。お隣の富山市も1位になったことが数回あり、北陸はアイスへの支出金額が高い水準にあります。
このギモンの解明に、日本アイスクリーム協会の「金沢アイスクリーム調査報告書」が深く切り込んでいますよ。
ワケ1 雨が多い気候
「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど、金沢は雪や雨が多い地域です。年間降水日数は177日間、2日に1日の割合で雨が降ります。ということで、暖かいおうちの中で過ごす時間が長いのが一つ目の要因だそうです。冬の寒い日の「こたつアイス」は確かに最高ですよね!
ワケ2 高収入・高支出
金沢市の世帯収入は65.1万円と東京都区部より多く主要都市で第1位(2017年)、消費支出も東京都区部に次ぐ第2位(2008〜2017年の10年間平均)です。経済的余裕があり、嗜好品や娯楽、外食への支出が多いそうです。たしかにアイスは生活必需品ではないですよね(金沢市民を除くw)。
ワケ3 割引セール多し
金沢市はスーパーマーケットが多く、小売店の競争が激しいのが一因。コンビニと異なり、箱入りアイス(マルチパック)の特売セールが頻繁に行われるため、アイス購入の利便性が高いそうです。箱アイスを常備している家も多いですし、何より「アイス半額セール」はよく見ますよね。
ワケ4 広い住宅事情
まとめ買いできる広い住宅に住み、複数の冷蔵庫を保有する家庭が多いことも要因の一つ。まとめ買いした箱アイスを食べたい時にいつでも食べられるのも、金沢の特徴の一つだとか。家族団らんの時はもちろん、夕食後や風呂上がりに一本、よくありますよね!
ワケ5 甘いもの好き
和洋問わず甘いお菓子への消費が多い金沢市。2022年の和生菓子、菓子類の支出金額は、ともにダントツのトップでした。チョコレートや濃厚バニラなど、甘いもの好きにはアイスはうってつけです!同じく消費額トップのコーヒー(2012〜14年)との相性もバツグンですね。
さらに歴史的背景にもその要因が垣間見えるそうです。
加賀百万石の経済力と文化政策、そしてその影響を受けた金沢商人の文化志向により、「茶道文化」に関心が高く、昔から菓子の消費が多かったそうです。その証拠に、江戸末期に各地に送られる砂糖の量は、江戸を除けば北陸がトップだったとか。
幕末にかけて加賀藩の財政も逼迫していきますが、江戸時代を通して、余裕を持った生活を可能にする経済力が維持され、消費文化が発達していたことが背景にあるそうです。
また、武家社会の影響以外にも、浄土真宗への強い信仰によって、供物や接待時のお茶請けという形で和菓子が消費され、庶民にも甘味文化が幅広く広まったようです。
金沢がアイス購入額全国1位になるのは、気候や食文化、市民性、小売業の状況はもとより、歴史や文化までもが影響しているんですね。
こうやってみると「アイス王国」は安泰のようですが、2018年は15位と大きく順位を落としたニガ〜い経験もあるので、今年も毎日ぬかりなくアイスを食べ続けたいと思います(笑)
参考文献
一般社団法人日本アイスクリーム協会「金沢アイスクリーム調査報告書」(2019年)
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